『インディゲームクリエイター Clickteam Fusion 2.5(以下CF2.5)』や前身のソフトである『Multimedia Fusion 2(以下MMF2)』で作成したアプリ、特にWindows用exe形式で、アンチウイルスソフトが反応してしまうことが度々起こります。
ビックリするかもしれませんが、もちろん誤検出なので、そんなに心配することではないのですが、CF2.5/MMF2の設定によって防げるケースもあるので、今回はその方法をご紹介します。
■『stdrt.exe』が誤検出されてしまうケース
CF2.5/MMF2製のexeを実行すると、『stdrt.exe』というファイルがウイルスとして検出されることがあります。
『stdrt.exe』はビルドの種類を『Windows EXE アプリケーション』や『Windows スクリーンセーバー』に設定した時に、『アプリケーションプロパティ』の『ウィンドウ』タブにある『ランタイムを圧縮』を有効にすると、ビルドした実行ファイルに内蔵されるようになっています。
ビルドしたexeを実行すると、『stdrt.exe』がWindowsのテンポラリフォルダへ吐き出される仕組みとなっており(終了後自動的に削除)、この動作がウイルスと判定されているものと推測されます。
『ランタイムを圧縮』を無効にすると『stdrt.exe』は作成されなくなるので、基本的にこのオプションは無効のままにすることを推奨します。無効にすると、有効時よりファイルサイズが約300KBほど増加しますが、昨今のPCであれば大して問題は無いでしょう。
もう一つ、『stdrt.exe』が作成されることの弊害として、Windows 7/8/8.1では実行中のアプリケーションをタスクバーにピン留めする機能がありますが、『ランタイムを圧縮』を有効にしてビルドしたアプリケーションは、実行中のアプリケーションをピン留めすると、『stdrt.exe』へリンクされてしまうことになります。前述の通り、『stdrt.exe』はアプリケーション終了後に自動的に削除されてしまうので、次回以降タスクバーのアイコンをクリックしても実行できない、という状態に陥ってしまいます。こちらも『ランタイムを圧縮』を無効にすることで解決することができます。
■mfxファイルが誤検出されてしまうケース
拡張子が『.mfx』のファイルがウイルスとして検出される場合もあります。mfxファイルはオブジェクト(エクステンション)のファイルです。例えば『kcmouse.mfx』がよく誤検出の対象となりますが、これはエクステンションの『Mouse object』です。こちらはユーザー側が設定で回避できる要素はあまりないので、あまりに検出が続くようであればそのオブジェクトの使用を中止することも検討して下さい。別のオブジェクトに類似機能があればそちらで代替す2ることもできるかもしれません。
根本的な解決は、各アンチウイルスソフトメーカーに誤検出だと認識してもらってデータベースに反映してもらうことですが、もし海外製ソフトなどで連絡が難しい場合は、公式サイトのユーザーサポートまたは当ブログへご一報頂ければ対応いたします。